同じ日干でも、人生の風景は同じではない。
四柱推命において「日干」は、その人の本質や性質の核を示す重要な要素です。
しかし、日干が同じだからといって、同じ性格や同じ人生になるわけではありません。
なぜなら、命式は日干だけで構成されているのではなく、年・月・日・時の八字全体の関係性によって成り立っているからです。
同じ素材でも、置かれる環境が違えば、形も役割も変わります。
それは自然界の姿にたとえると理解しやすくなります。
ここでは、十干それぞれの基本的な象意と、命式によって変化するイメージを整理してみましょう。
甲(きのえ)
基本象意
大樹・木材・勢いよく成長する大木・枯れて力を失った木・根腐れを起こした弱い木・生命力を失った木・加工され、木材として役割を持つ木
同じ「木」でも、状態によって意味合いは大きく異なります。
乙(きのと)
基本象意
草花・小さな植物・自然の中で咲く草花・水面に浮かぶ繊細な植物・人の手で育てられる観賞用植物・踏まれても伸びる雑草
繊細さと適応力の両面を持つ存在です。
丙(ひのえ)
基本象意
太陽・万物を育てる太陽・世界を暖める穏やかな太陽・強すぎて大地を乾かす太陽
同じ光でも、強弱によって作用は正反対になります。
丁(ひのと)
基本象意
炎・人工の火・安定して燃え続ける炎・守られながら灯る炎・今にも消えそうな弱い炎
環境の影響を受けやすい繊細な火です。
戊(つちのえ)
基本象意
山・岩山・資源を内包する山・荒涼とした山・堤防のように守る役割を持つ山
動かない存在ですが、担う役割はさまざまです。
己(つちのと)
基本象意
畑・柔らかい土・植物を育てる豊かな土・乾ききった不毛の土・水分を含みすぎた泥土
同じ土でも、状態次第で価値が変わります。
庚(かのえ)
基本象意
鉄・斧・切れ味の良い道具としての鉄・凶器となる刃物・錆びて機能を失った鉄・溶けて形を失った鉄・地中に埋もれた未発見の鉄
強さと危うさの両面を持つ象意です。
辛(かのと)
基本象意
宝石・刃物・磨かれて輝く宝石・砕かれてしまった宝石・汚れに埋もれた宝石・強い熱にさらされた宝石
環境によって価値の見え方が大きく変わります。
壬(みずのえ)
基本象意
川・湖・勢いよく流れる川・濁った流れの悪い水・氾濫の危険をはらむ水・動かない水たまり
流れの状態がそのまま性質の違いになります。
癸(みずのと)
基本象意
雨・大地を潤す恵みの雨・災害を引き起こす豪雨・静かに降る雪
同じ水でも、降り方によって印象は大きく変わります。
あなたの命式はどのような風景ですか
命式全体が「風景」をつくる。
日干はあくまで「素材」に過ぎません。
命式全体のバランスや配置が、その素材をどのような環境に置くかを決めます。
その結果、同じ日干を持っていても・発揮の仕方・周囲との関係性・人生で担う役割これらは大きく変わっていきます。
「同じ日干なのに、なぜこんなに違うのか」
その答えは、命式全体がつくり出す“風景”の違いにあるのです。
ご自身の命式がどのような環境に置かれているのかを知ることは、自分の性質を正しく理解するための大切な手がかりになります。

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